守護神(アジャンタ第1窟) ― 2012/02/20 23:48
守護神(アジャンタ第1窟)
アジャンタ第1窟が造営されたのは6世紀前半と言われている。仏殿の前室の左右の壁すなわち後廊の左右後壁にテンペラ画がある。仏殿に向って左がパドマパーニ(蓮華手)、右がヴァジェラパーニ(金剛手)と言われている。これを蓮華手菩薩、金剛手菩薩とするには壁画の像には頭光が描かれていないのが気になる。従ってここでは仏殿の門に描く花を持った守門神(天部)であるとの位置づけでまとめることにした。
パドマパーニ(蓮華手)仏殿に向かって左側
ヴァジェラパーニ(金剛手)仏殿に向かって右側
638年建立された法隆寺金堂の阿弥陀浄土図の菩薩像はこの金剛手の影響を受けていると言われている。実際に壁画の前に立ってみると暗くて老眼乱視の目では両者を対比できるようなあんばいではなかった。ざっと捉えると相違点は法隆寺金堂の菩薩像は足元から頭上まで伸びた蓮華を持っていること、また図光が描かれていること。類似点はグプタ調と言われる顔形や体型、顔の眉の引き方などが指摘できる。
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