太田金山城址散歩2021/08/22 10:24

万葉集で「新田山(にいたやま」と詠まれた太田市の金山
その頂標高239メートルの本丸跡に新田義貞を祀る新田神社がある

この山城は新田一族の岩松家純により分明元年(1469)に築城されたという
その後岩松氏から横瀬(由良)氏へ実権が移り、天正12年(1584)城は北条氏の手に落ち、秀吉の北条討伐により北条氏滅亡の結果、天正18年(1590)この堅固な山城は廃城となった
復元されている虎口の石垣はこの城の最終期の姿を現しているのではなかろうか

金山城址見取り図
 金山の尾根筋に沿って諸施設が築かれている
太田金山城址見取り図


本丸跡
 新田神社
金山城址本丸新田神社
 本丸と二の丸の堀切を回ると当時の石垣が残っている
 残存石垣
金山城址本丸残存石垣
 樹齢800年の大ケヤキの樹形はみごとである
 大ケヤキ
金山城址 大ケヤキ


南曲輪
 本丸を下ると南曲輪が開ける ここは中島記念公園として整備されていて
 中島和久平の銅像や休憩所などがある。

 日ノ池 
 水を湛えた日ノ池と井戸跡があり城の貴重な水源とたっていたと思われる
金山城址三の丸した日ノ池
 


大手虎口
 石畳の道を下っていくと両側に石垣を積んだ通路に変わる
 石垣の両上段に段状に曲輪があり通路は真っ直ぐに本丸虎口に至る
 立派は石垣は北条氏の築城技術を示しているのではなかろうか
金山城址大手虎口

 麓の金山城跡ガイダンス施設にはこの部分の再現模型が展示されている
 大手虎口再現模型
金山城址大手虎口再現模型

馬場曲輪
 大手虎口まで下って登っていくと二つ目の池、月ノ池があり大堀切を通り
 坂を登り上がると虎口を守る兵が集結するための曲輪がある
金山城址 馬場曲輪

物見台
  馬場曲輪から主稜線に沿って進むと、道は分岐となり真っ直ぐ進むと展望のよい
 物見台に行き着く ここからの展望はすばらしい
 榛名山、吾妻方面(小野子山、子持山の左)、赤城山方面の展望
金山城址物見台から展望

竪堀と木橋
 先程の分岐~尾根を下り進むと竪堀があり木橋を渡って物見台の下の通路が続く
金山城址 木橋と竪堀

物見台下虎口
 物見台下の通路を進むと石垣を積んだ虎口に出る
物見台下虎口

物見台下堀切
 虎口を出ると物見台下堀切がありこの堀切を土橋で渡る
金山城跡物見台下堀切

 物見台下堀切を越えると西矢倉台下通路がある(見学者は通れない)
 見学者は見学通路を進む

西矢倉台下堀切
 見学通路を行くと西矢倉台下堀切と西矢倉台西堀切を左手に見える 
金山城址 西矢倉台下堀切

西矢倉台西堀切
 西矢倉台下の通路はこの堀切の下へつづきこの堀切を登って通路は続いていたようだ
金山城址西矢倉台

総合案内板
 西矢倉台西堀切を下ると見学通路の総合案内板に至る
 ここから西は西城エリアになる 

西城エリア
 西城後は西城跡と見付出丸がある

見付出丸
 見付出丸堀切を過ぎ尾根道を進むと見付出丸に至る
 ここには大手堀切などの堀切が走り虎口の跡も残されている
金山城址 見付出丸

太田市街展望
 展望台駐車場からの太田市街のながめ
金山城址 太田市街展望



金山城主の菩提寺の金隆寺
 金山城主由良氏の菩提寺である金龍寺に立ち寄った
 新田義貞の菩提を弔うため岩松氏が応永年間に開基した
 天正18年(1590)金山城の廃城、由良氏の牛久移封により寺は荒廃
 その後館林城主榊原康政はこれを惜しみ寺を再興し今日に至る

 由良氏五輪塔並びに新田義貞供養塔
 手前に由良氏の五輪塔が九基並ぶ
哉城城主菩提寺金龍寺

 新田義貞供養塔
 由良の五輪塔を分けて登ると新田義貞の供養塔が立つ
 本堂には義貞公の木像が安置されているという
金龍寺 新田義貞供養塔

 由良氏五輪塔
 義貞の供養塔より由良氏の墓石群を見下ろす
金龍寺 由良家五輪塔

天空の城と観光の目玉になっている竹田城も金山城と同じ山城である。しかし山城であるが立派な石垣が組まれている。竹田城も金山城と同じ時期に築城されたが、石垣が組まれたのは天正13年(1585)赤松広秀の時代であるという。金山城の石垣がいつ組まれたものなのかどうか、残存石垣の掲示板には石垣で築いた関東では珍しい城とあるが、組まれた時期についての明確な記述はない。しかし、由良氏は北条氏の軍門に下ったことから北条氏の築城技術が影響している考えても的外れな想像ではないように思える。

展望台の駐車場に車を停めて城址を回った。老人の足でも問題なかった。
物見台から吾妻方面が展望できるのは感動した。


撮影;令和3年8月11日

       群馬県 太田市   (令和3年8月23日)

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