新疆ウイグル ウイグルのこころ2012/03/11 17:20

カシュガルの踊り子

ホテルで民族舞踊を見た。
民族音楽に合せて軽快に踊る二組の男女
男性の白い衣裳はアラーへの永遠の誓い、
女性の黒と赤の衣裳は
マグマのようなウイグルの血のたぎりを思わせる。

 

新疆ウイグル カシュガル

 

日常漢族は新疆ウイグル自治区のことをウイグルを省略して
新疆とか新という表現を使うらしい。
昨年訪れたカシュガルの街も経済発展が進んでいる。
街並みが変わるように
ここに住むウイグル族のこころも
やがて漢化してしまうのだろうか。



(月のように美しい娘)
バラの花を見ない鳥は春の美しさを知らない
月のように美しい娘よ あなたの腰は柳のように細い
あなたの紅をつけた笑顔はリンゴのよう
月のように美しき娘よ あなたは恋人を待っている
その心は炎のように燃えている
バラの花を見ない鳥は春の美しさを知らない
あなたは夜空に輝く月のよう
胸に光る宝石は雲間に輝く星のよう


                  中国 新疆ウイグル (2011年10月)


新疆ウイグル(2) 塔河鎮の少女2012/03/12 17:03

タクラマカン砂漠を横断するタリム砂漠公路の門をくぐってから

小一時間行くと塔河鎮という町がある。

街道沿いに小屋が軒を連ねめいめいにテーブルを置いて

店を開いている。

店は通行者のために果物とナンを売っているのだ。

 

塔河鎮の店番の少女

緑のパラソルの下で店番をしている
ウサギッ歯のかわいい少女。

紺のスカーフと赤の上着がとってもお似合いだ。

 

ウイグルの女は両方の眉をつなげるのだそうだ。

それは家族からあまり遠くに嫁がないで幸せになる

ようにとの意味があると聞いた。

やがてこの子も眉をつなげて幸せになって欲しいな

と私は願った。

              中国 新疆ウイグル (2011年10月)


新疆ウイグル(3) お嫁さんとお姑さん2012/03/15 12:24

 

クチャの家庭を訪問した。まだ嫁いで間もない若い

嫁さんとお姑さんがナンを焼いてご馳走してくれた。

夫が窯の中で薪を燃して窯を熱して焼く準備をする。

窯の形はウズベキスタンで見たものとまったく同じだ。

窯の傍らで嫁さんとお姑さんはねかせておいたナンの

生地をちぎって両手で伸ばしてナンの形を整える。

手前の道具はナンをたたいて模様をつける。

(お嫁さんとお姑さんの共同作業)

 

ナン生地からナンを形作る

 

ナンの生地を窯の内壁に張り付けるのはお姑さんの役目だ。

鍋の蓋に布を巻きつけたような丸い台にナンの生地をのせて

すばやく熱い窯の壁にナンをバッと張り付ける。

 

窯の内壁にナンをたたきつけるのはお姑の役目

 

焼き上がったらひっかき棒でひっかけて窯から取り出して

完成。

熱いうち手でちぎって口に入れるとナンの焼けた匂いと

パンの素朴な味がとても気に入った。子供のころおふくろが

打ってくれたうどんを思いだし懐かしくもありありがたく

もあった。

(新疆ウイグルのナン)

焼きあがったナン

 

ところでウズベキスタンのパンを以前紹介したが

だいぶ形もボリュームも味も違いました。

(ウズベキスタンのパンを焼く窯)

ウズベキスタンの窯


          中国 新疆ウイグル(2011年10月)




新疆ウイグル(4) トウガラシの乾燥2012/03/19 06:05

バスで移動するなかで見える風景として印象に残ったものの

ひとつは一面に広がったトウガラシの赤い模様である。

(トウガラシの乾燥風景:クチャ付近)

 

トウガラシの感想風景(クチャ)

瓦礫の大地にトウガラシをぶちまけて乾燥させている風景に

始めて遇いました。真ん中にテントが見え盗難に遇わないよう

監視も怠っていない。

しかし、こんなに多くのウガラシは一体どこにひとびとの
胃の中へ消えて行って
しまうのだろうか。

 

中国 新疆ウイグル(201110月)



新疆ウイグル(5) タリム砂漠公路防護林2012/03/24 23:54

 

タリム砂漠公路を行くと自転車に乗った男が目にとまった。こんな砂漠の砂漠の真ん中に自転車とは何故?と直感するほど場違いな光景であった。

 

1995年10月1日に開通した全長522キロのタリム砂漠公路をバスで一日かけて北から南へタリム砂漠を横断した。

車窓から砂漠の風景を楽しめるだろうと期待してやって来たが、防砂固砂のための防護林が出現して左右の見晴らしを遮り事前の想定はやや裏切られる結果になった。

 

タリム砂漠公路を走る

 

全長522キロのうち砂漠地帯は466キロ、そのうち436キロが防護林で護られている。防護林は紅柳(タマリスク)、砂棗(すななつめ)、梭梭(そそ)で構成され、4キロ毎に設置された総数108基のポンプ小屋から地下水が供給され生命維持されている。

(給水のため張り巡らされた黒ホース)

 

防護林給水システム

 

(青い壁に赤い屋根のポンプ小屋)

手前の部屋が小屋を守る職員の居室、奥の観音開きの部屋がポンプ室である。

ポンプ小屋(6番基地)

職員は四川人の夫婦が多く雇われているようだ。先の自転車に乗った男はこの職員でポンプ小屋を中心にして前後2キロ、全長4キロの防護林の点検のため自転車で往来しているのだ。 

 

(ソーラや風力も活用した最新システムの6号基地)

 

ポンプ小屋ソーラ、風力6番基地

 

広大なタリム砂漠を二分する砂漠公路とそれを守る防護林システムを

目の前にすると巨大なものに挑戦し実現しその果実を手に入れるという暴れ竜のような中国というもののエネルギーを直感することができる。

 

              中国 新疆ウイグル(201110月)




新疆ウイグル(6)砂棗2012/03/27 23:35

砂棗(すななつめ)

 

暴風・防砂に用いられている砂棗はポフラのように有名ではないが

新疆ウイグルの代表的な木であると言ってよいだろう。

(ヤルカンドからカシュガルへ向う街道端で)

 

新疆ウイグルの砂棗

10月下旬は枝がたわむほど赤い実をつけていた。棗に砂をのせた

訳はかむような食感から来ているようである。

試しに食べてみたが砂をかむような感じがしたようなしないような。

羊は砂棗の実を好んで食べるそうである。

 

             中国 新疆ウイグル(201110月)