新疆ウイグル(5) タリム砂漠公路防護林2012/03/24 23:54

 

タリム砂漠公路を行くと自転車に乗った男が目にとまった。こんな砂漠の砂漠の真ん中に自転車とは何故?と直感するほど場違いな光景であった。

 

1995年10月1日に開通した全長522キロのタリム砂漠公路をバスで一日かけて北から南へタリム砂漠を横断した。

車窓から砂漠の風景を楽しめるだろうと期待してやって来たが、防砂固砂のための防護林が出現して左右の見晴らしを遮り事前の想定はやや裏切られる結果になった。

 

タリム砂漠公路を走る

 

全長522キロのうち砂漠地帯は466キロ、そのうち436キロが防護林で護られている。防護林は紅柳(タマリスク)、砂棗(すななつめ)、梭梭(そそ)で構成され、4キロ毎に設置された総数108基のポンプ小屋から地下水が供給され生命維持されている。

(給水のため張り巡らされた黒ホース)

 

防護林給水システム

 

(青い壁に赤い屋根のポンプ小屋)

手前の部屋が小屋を守る職員の居室、奥の観音開きの部屋がポンプ室である。

ポンプ小屋(6番基地)

職員は四川人の夫婦が多く雇われているようだ。先の自転車に乗った男はこの職員でポンプ小屋を中心にして前後2キロ、全長4キロの防護林の点検のため自転車で往来しているのだ。 

 

(ソーラや風力も活用した最新システムの6号基地)

 

ポンプ小屋ソーラ、風力6番基地

 

広大なタリム砂漠を二分する砂漠公路とそれを守る防護林システムを

目の前にすると巨大なものに挑戦し実現しその果実を手に入れるという暴れ竜のような中国というもののエネルギーを直感することができる。

 

              中国 新疆ウイグル(201110月)




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