アジャンタ第10窟2011/12/30 17:37

アジャンタ第10窟ストゥーパ
ストゥーパ
アジャンタ第10窟のストゥーパは第9窟のストゥーパとほぼ同じ形をしているが、①基壇が2段になっていること②覆鉢がお椀を伏せた形であること③平頂部の逆ピラミッド型の頂板が3段であることなどが違っている。前回のアジャンタ第9窟ストゥーパの記述で平頂部の逆ピラミッドの頂板を傘蓋と述べたが、どうもこれは誤りで傘蓋は頂板のこの上にさらに傘竿を立て傘蓋が設けてあったようである。

アジャンタ第19窟2011/12/31 14:12

アヤンタ第19窟ストゥーパ
ストゥーパ
前期窟の第9窟や第10窟の時代より500年ほど下りいわゆる後期窟(5世紀後半~8世紀ごろ)と呼ばれる時代になると、同じチャイトヤ窟である後期窟第19窟の形状は前期窟と同じ馬蹄形が引き継がれているものの、仏龕と仏像の出現、構造の複雑化、装飾の華美化などの進展が見られる。
第19窟のストゥーパは2段の基壇部がいっそう高みを増し、正面に仏龕を設けて仏陀立像を彫りだしている。平頂はいっそう天空の宮殿のような形相を呈し逆ピラミッド型の頂板の上に四方をヤクシャに支えられた海中を漂うクラゲのような傘蓋が天に向かって伸びている。アジャンタ石窟の仏陀像はほとんどが説法印を結ぶものであるが、ここの仏陀立像は両手が失われていて何の印を結んでいるのかが興味あるところである。