新疆ウイグル(8) アイ(阿艾)石窟 ― 2012/04/11 06:05
クチャ県城から東北60キロクチャ川流域に紅色をした巨大な峡谷がある。観光ガイドでは天山神秘大渓谷と紹介されているが、地元ではキジリア(紅山)大峡谷と呼んだようである。
この紅谷の奥に空中に浮かぶ巨大な御殿を思わせる天山瓊閣(天山のまばゆい御殿)と呼ばれる見事な断崖がある。
その中腹に小屋が建てられているのが見えた。これは偶然に出会った高さ30メートルの断崖に穿たれたアイ(阿艾)石窟である。
石窟を見学しようとしても石窟に登る階段も案内小屋も閉ざされ石窟に入るすべもなかった。
聞くところによると、アイ石窟は1999年発見された7~8世紀の仏教窟である。漢文の題記があることから漢人が寄進したしたものと考えられている。
石窟は長さ4.6メートル、幅3.4メートルで天井はドーム状で中央に方形の基壇が設けられているようだ。
後壁には一幅の観無量寿経変が一面に描かれ、左壁には大きな坐仏、薬師瑠璃光仏、文殊菩薩、盧舎那仏、薬師瑠璃光仏などが並びその上に千仏などが描かれているそうである。
断崖の下に設けられた仏壇の中央の仏像は前述した坐像、後ろの壁画の写真は左が盧舎那仏、右が薬師瑠璃光仏と思われる。
昔この紅山峡谷はクチャのお大臣さまが財宝を隠したところであったと聞いた。そんなことで極楽往生を願う漢人のお金持ちがこの渓谷に目を着けて石窟寺を寄進するとともに財宝を隠して置かれたのではないかとは私のまったくの想像である。
中国 新疆ウイグル(2011年10月)
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