エレファンタ島のドヴァラパーラ2012/12/14 22:34

エレファンタ島石窟のドヴァラパーラ
エレファンタ島のドヴァラパーラ

リンガーを祀る祠堂の四方で聖域を守る門番ドヴァラパーラ
クメール遺跡の像よりは立体的で表情が観音様のように穏やかである

    インド共和国  エレファンタ島  (2011年11月)

中国の挑発は元寇のような恐れを思わせる
韓国も北朝鮮も挑発を止めない
現状で国の安全と威信を確保できるのか
彼らの挑発は日本は現状ではだめだと挑発しているのに等しい

                   (2012年12月14日)

三面半身像2012/09/29 23:27


         北側の中央の祠に護衛神ドヴァラパータに守られた
         三面半身像がある
三面半身像
エレファンタ島マヘシャムルティ
         人気の像の前は観光客で混雑する

左側 破壊神のシヴァ
中央 創造神のブラフマー
右側 維持神のヴィシュヌ
インドエレファンタ島マヘシャムルティ

         この像はインド彫刻の傑作と言われている
         想像する能力もなくまた破壊する勇気もない
         自分は宇宙を輪廻転生する漂流者なのだ


   インド エレファンタ島          (2011年11月20日)

シヴァ神とパルヴァティの結婚2012/09/21 06:07


エレファンタ島シヴァとパルヴァティ

東のヴェランダから石段を登り石窟寺院に入ると
正面にリンガを祀る祠堂がある
祠堂の前を右に折れ北側の石壁に
シヴァ神とパルヴァティの結婚のシーンが彫られている
パルヴァティがシヴァ神の右側に立つということは
結婚式前の二人を現わしているのだそうである
二人の表情・ポーズが優しさを壁面全体に醸し出し
見る人の心を穏やかに洗い清めている

     インド エレファンタ島   (2011年11月)

両性をもつ神アルダナリスヴァラ2012/09/17 23:19


男女合体像の神
(男性と女性の両性を持つ神、アルダナリスヴァラ)

ここはエレファンタ島の石窟です
この像は牛のナンディに寄りかかっているシヴァ神です
手に持った鏡、豊かな胸と丸い腰などから一見女性像だと思うけれど
よくみると左側は豊かな胸も腰の丸身もなく男性像なのです。
実はこの神様は男性と女性の合体像なんです
万物の根源はひとつという観念を表現したものだそうです

  インド エレファンタ島         (2011年11月20日)

守護神(サンチー第1ストゥーパ)2012/02/25 13:50

守護神(サンチー第1ストゥーパ)

サンチーにストゥーパを最初に祀ったのはマウリア朝(前324187年)のアショカ王であったと言われている。ストゥーパの材料は土であったが、土から煉瓦へ煉瓦から石材へと変わっていった。そして古いストゥーパは新しい材料で包み込まれ大きくなっていった。

 

サンチー第1ストゥーパ

トラーナと呼ばれる塔門が東西南北に建てられたのは紀元前35年ごろであるという。塔門は三本の梁を掲げ神社の鳥居のようである。ここでは塔門に見える守護神について焦点をあてた。

 

西門のヤクシャ

4人の太鼓腹のヤクシャが梁を支えている。ヤクシャは毘沙門天の前身であるという。ちょっと体形が私に似ている。

サンチー第1ストゥーパ西門

 

北門の象

4頭の象が力強く門を支えている。鼻をよじり今にも暴れ出しそうである。

 

サンチー第1ストゥーパ北門

東門の象とヤクシー

この象は鼻を垂らして歩いている。力んで門を支えている場景ではない。その隣のヤクシーは私代の言葉で表現すると「とてもグラマーでした」ということになります。

サンチー第1ストゥーパ東門

 

南門の獅子

インドの国章となっているライオン(獅子)が4頭背中合わせて門を支えている。口を開いた表情がどちらかと言うとかわいい。

 

サンチー第1ストゥーパ南門

東門門柱のヤクシャ

左右の門柱の内側の最下部に守門神ヤクシャが掘り出されています。

北柱

蓮の花束を持っている守門神。これがアジャンタ第1窟で言うならばテンペラ画のパドマパーニ(蓮華手)ということだろう。

 

サンチー第1ストゥーパ東門北柱

南柱

払子のようなものを持つ守門神。門の内側に顔を向けている。


サンチー第1ストゥーパ東門南柱



守護神(アジャンタ第1窟)2012/02/20 23:48

守護神(アジャンタ第1窟)

アジャンタ第1窟が造営されたのは6世紀前半と言われている。仏殿の前室の左右の壁すなわち後廊の左右後壁にテンペラ画がある。仏殿に向って左がパドマパーニ(蓮華手)、右がヴァジェラパーニ(金剛手)と言われている。これを蓮華手菩薩、金剛手菩薩とするには壁画の像には頭光が描かれていないのが気になる。従ってここでは仏殿の門に描く花を持った守門神(天部)であるとの位置づけでまとめることにした。

パドマパーニ(蓮華手)仏殿に向かって左側

 

パドマパーニ(蓮華手)アジャンタ第1窟


ヴァジェラパーニ(金剛手)仏殿に向かって右側

 

ヴァジェラパーニ(金剛手)アジャンタ第1窟

638年建立された法隆寺金堂の阿弥陀浄土図の菩薩像はこの金剛手の影響を受けていると言われている。実際に壁画の前に立ってみると暗くて老眼乱視の目では両者を対比できるようなあんばいではなかった。ざっと捉えると相違点は法隆寺金堂の菩薩像は足元から頭上まで伸びた蓮華を持っていること、また図光が描かれていること。類似点はグプタ調と言われる顔形や体型、顔の眉の引き方などが指摘できる。




守護神(アジャンタ第16窟)2012/02/17 11:39

アジャンタ第16窟では天井の梁でヤクシャやミトウナが神域を守っていました。

(ミトウナとヤクシャ)
これはヤクシャがミトウナを膝の上に乗せています。ヤクシャがミトウナの足を労わっているところだろうか

ミトウナとヤクシャ(アジャンタ第16窟)




こちらの両人も仲がよさそうですね。こんなの見ると気持ちがほのぼのしませんか。

ミトウナとヤクシャ2(アジャンタ第16窟)


(太鼓腹のヤクシャ)

しかし、やはりしっかり神殿を支えているのは太鼓腹のヤクシャです。ヤクシャは

太鼓腹のヤクシャ(アジャンタ第16窟)

やさしさと力の両者を持ち合わせた守護神なのですね。





守護神(ピタルコーラー第4窟)2012/02/13 22:43

ピタルコーラー石窟を見に谷に下っていくとナイフでえぐり取られたような岩壁に石窟寺院の遺跡が並んでいる。黄色いシートがあるところがヴィハーラ窟の第4窟にあたりその右隣がチャイトヤ窟の第3窟である。ここで取り上げる守護神は黄色のシートのところにある。

ピタルコーラー石窟全貌

現在、我々が各石窟へ往来する窟前の道は過っては無かった。道は川伝いにあって各々設けられた石段を登り出入りしたようである。途中に石門がありここから上が聖域でこの境に守護神が立っているのが普通である。

朱門神(ピタルコーラー第4窟)

ここの守護神、すなわち正面の守門神は以前写真で見たものとかなり傷みが進んでいて非常に残念である。また、手前の横壁にナーガらしきものが見えるが蛇の頭部分しか残っていない。シートで隠れて見えないが守門神の右横には象が並んでいるようである。ちゃんと残っているのであればちょうとスリランカのアヌラーダプラのルワンウェリ・セーヤ仏塔の基壇を守る象のように整然と並んでいるのであろう。

僧院の入口はアーチと柱で仕切られ、柱の最上部には馬や牛、虎や獅子などの動物が彫りこまれている。

柱頂の動物模様(ピタルコーラ第4窟)
写真の有翼の動物はどうやら獅子のようである。

僧院のなかに配置された僧坊は今でも形を留め当時の修行僧の姿が浮かんでくるようである。

僧坊(ピタルコーラ石窟)

僧坊の跡に入って見ると紀元前1世紀であっても修行僧たちは快適な環境で修行できたのだなと感じた。

仏教国のスリランカは仏教国なので遺跡はきちっと管理されていたが、ヒンズーの国インドにあっては仏教遺跡の保護・管理は十分とは言えないようである。

仏陀涅槃像(アジャンタ第26窟)2012/02/12 16:48

アジャンタ第26窟においてインドで最も大な涅槃仏に遇うことができた。全長7.1メートルの涅槃仏は左側廊で頭を入口に向けて横たわり頭上から射し込む光が全身を照らしていた。


仏陀涅槃像(アジャンタ第26窟

上空には飛天が舞い、寝台下では弟子たちが跪いている。

仏陀涅槃像の飛天(アジャンタ第26窟)


寝台下の後ろ姿の弟子は誰であるのか、弟子は念仏を唱えているように見える。また三脚に吊るされた水筒のようなものは何なのか、釈迦の死に水であるのか?

仏陀涅槃像の弟子と水筒(アジャンタ第26窟)

沙羅双樹の下、釈迦の足下で蹲る弟子はアーナンダであろうか。釈迦の入滅の深い悲しみが伝わってくるようだ。

仏陀涅槃像のアーナンダ像(アジャンタ第26窟)


中国などで見た石窟寺院の入口は南に開けられ涅槃物は仏殿の一番奥(中心柱窟では正面の裏側)の北壁を背にして頭を西に向けて横になっている。ここでは位置が仏殿の奥(ストゥーパの裏側)ではなく入口のすぐの左側廊である。しかし、入口が西に開けられたアジャンタ第26窟では左側廊が北壁にあたり仏陀の頭は西を向き横たわる方向は同じ律に基づいている。

仏陀像(エローラ第12窟)その22012/02/08 10:18

エローラ第12窟の2階の広間奥の仏殿は八大菩薩立体曼陀羅という説明がある。インドにおける密教はどうなのか今の私には見当もつかない。仏殿に入ると入口の両側に片足を踏み出して座る威圧感溢れる守門神のような仏像がある。

エローラ第12窟仏殿守門神

仏殿中の両側壁に4体ずつ合計8体の菩薩が立っている。両足をむき出しにして兵士のように立ち並んでいる菩薩像は珍しい。体は煤けたように黒い。

八大菩薩像(エローラ第12窟)仏殿

真ん中の仏陀坐像は赤の色が残っている。仏像は金色に塗られているのが一般的であるが、まさかインドの仏像は二王様にように赤く塗られていたということはないだろう。だとすると下塗りの赤が残っていると考えた方がよいと思う。

仏陀像(エローラ第12窟)2階仏殿