カシワと知床五湖(平成31年4月21日)2019/05/06 17:04

高架木道の端に枯れてくしゃくしゃになった葉を纏った木が立っていた
それは一本のカシワであった
カシワはもっと暖かい地方の木であると思っていた
だから知床の厳しい冬を越すのは大変なことだったろうと思った
知床五湖(平成31年4月21日)
                          (知床一湖)
ネーチャーガイドはパイオニアツリー(先駆樹種)とそのカシワを称えた
春に新葉がそろうまで古葉は枯れてくしゃくしゃになって冬の強風にも飛ばされることなく枝にしがみつき幹を寒さから守り新芽が育つのを助けるなんてすごいヤツだと私もこのカシワを称えた

しかし後でカシワは意外と寒さに強いことが分かってきた
北海道にも開拓期にはカシワの大木が数多くあったようである
また枯葉が落葉しないことで風よけ効果が認められ防風林に使われているようである

過ってここ知床一湖にも入植者が入った時期があり一湖に鯉、鮒などが放たれたそうである
周辺の樹木は開拓者により伐採されこの時カシワの大木も伐採されたかも知れない
高架木道の端で立っていたカシワは伐採を免れた生き残りであるのか
あるいは、防風林として植えられたカシワの生き残りであるのか
チチマザサやクマザサで覆われた高架木道を乗せた残雪の平原は何も語ろうとしない
いずれにしても葉が枯れても落葉しないカシワの生態が自他ともに厳しい知床の冬を乗り切るための知恵として十分に生かされていると言うことはできるだろう


          北海道 知床 知床五湖(2019年4月21日)

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