牧水像を早くけえしてくれ!!2016/07/22 09:19

暮坂峠の歌碑の上に立つ若山牧水の像が盗まれてから10日余り過ぎた
まだ盗まれた像の足取りはつかめない
牧水像を失った石碑は変わり果てた姿をさらしている
暮坂峠 牧水歌碑など

在りし日の牧水像 これでこそ暮坂峠の牧水歌碑
若山牧水歌碑 暮坂峠

この像が無残にも足元から切り取られ
若山牧水歌碑

足首と台座を残して持ち去られてしまった
暮坂峠 牧水歌碑

若山牧水のすばらしい詩歌を生んだ豊かな自然と人々の営みはふるさとの誇りだ
その誇りをうつくしく詠んで広めてくれた牧水は地元のたいせつな遺産である

私も目を覚まして叫ぶ
       早く地元に返してくれろ!!!
若山牧水像

       群馬県 中之条町  暮坂峠発   (2016年7月22日)
 



 みなかみ紀行 抄

起きて見れば案外な上天気である。大喜びで草鞋を穿く。
  九十九折りけはしき坂を下り来れば橋ありてかかる峡の深みに
         牧水が白砂川を渡った橋が架けられた岩
中之条 六合 小雨 吾嬬橋

  おもはぬに村ありて名のやさしかる小雨の里といふにぞありける
二人は路から降り、そのさし出でた木の真下の川原に坐って昼飯を食べた。
  枯れし葉とおもふもみち”のふくみたるこの紅ゐをなんと申さむ
其處を立つと野原にかかった。眼につくは立枯の木の木立である。
  木々の根の皮剥ぎとりて木々をみな枯木とはしつ枯野とはしつ
小さな道標が立ててある。曰く、右沢渡温泉道、左花敷温泉道。立枯の楢がつづき、をりをり栗の木も混じって毬と共に笑みわれたその実を根がたに落してゐた。
  この枯野猪も出でぬか猿もゐぬか栗美しう落ちたまりたり
引沼村に小学校あり。
  先生の一途なるさまもなみだなれ家十ばかりなる村の学校に
(花敷の宿にて)
  真裸體なるとはしつつ覚束なき此處の温泉(いでゆ)に屋根の無ければ
  折からや風吹きたちてはらはらと紅葉は散り来いで湯のなかに
庭さきの瀬々のひびき、枕もとの洋燈の灯影もたえずまたたいて、眠り難い一夜であった。
  ひと夜寝てわが立ち出づる山かげのいで湯の村に雪降りにけり
やがてひろびろとした枯芒の原、立枯の楢の打ち続いた暮坂峠の大きな澤に出た。峠を越えて約三里、正午近く澤渡温泉に着き、正栄館というのの三階に上がった。無色無臭、温度もよく、いい湯であった。此の儘泊らうか、もう三四里を歩いて四萬温泉へ廻らうか、それとも直ぐ中之條へ出て伊香保まで延ばさうかと二人でいろいろに迷ったが、終に四萬へ行くことにきめて、昼飯を終るとすぐまた草鞋を穿いた。

      群馬県 吾妻郡 中之条町 六合~四万 (2016年7月23日)


  

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