メキシコの空③ピラミッド(チチェン・イツァ)2016/03/12 09:08

白い街と言われるメリダから黄色い街のイサマルを経てマヤの遺跡チチェン・イツァへ
チチェン・イツァはマヤ文化の最高傑作と言われ美しくきれいだ
チチェン・イツァは旧と新地区に区分され有名なピレミッドのカスティージョは新チチェン・イツァの地区の中心に鎮座する

地元ガイドより説明があったマヤ文化の特徴についてまとめてみた
①山と川のない土地に興り栄える
 生活には適さない土地なのに栄えた
②数字に優れていた
 ゼロの概念が使われていた
 点と線と貝殻で数字を表わす
 20進法を用い神の横顔を数字に割り当てた
 意味ある数字は
 9(悪)・13(良い)・18(1年は18カ月)・20(1カ月は20日)・
 52(農業・神暦の還暦)・260(神暦)・365(農暦)など
③天文学が発達
 太陽・月・金星の動きから365日農業の暦や260日宗教の神暦をあみだす
 1カ月は20日×18カ月+5日(暗黒の日:7月10日~14日)=365日
 365日の農業の暦と260日の神暦の両循環は52年周期で一致をみる
 これは日本でいえば60年周期の還暦のようなもの
 ウシマル遺跡の魔法使いのピラミッドはこのように増築されたと言われている
魔法使いのピラミッド ウシマル遺跡
 どのようなタイミングで増改築工事を行ったのか?
 52年の還暦もその理由の一つになっていたと想像してもおかしくないなと思う

 暦のことをもう少し書くとする
 マヤ暦の起点は紀元前3114年8月13日である
 マヤ暦はこの起点日からの経過日数を表わす
 その周期は13バクトゥン187万2000日である
 周期の終わりが2012年12月や2015年9月などとの説が話題になった
 いずれにしても最近新たな187万2千日の周期に入っているようだ
 農作業の起点として乾期雨期で二分する土地では春分と秋分の日が重要である

チチェン・イツァのピラミッドは「ククルカンの神殿」と呼ばれるカスティージョだ
カスティージョ チチェン・イツァ
一辺が56メートル高さ24メートルのピラミッドで階段は四方向にある そして何故か北と東側の階段にククルカンが配されている
カスティージョ チチェン・イツァ
ククルカンは羽毛の生えた蛇を表わし農耕神である テオティワカン遺跡のケツァルコアトルの神殿にレリーフされたククルカンの像が見受けられるそうだ マヤ文化も独自なものではなく遠く離れたメキシコ高原などとつながっていることを物語る証である
テオティワカンではこの農耕神ククルカンのことをケツァルコアトルと呼ぶ
雨をもたらすという大きく輝いた尾を持つケツァール鳥はケツァルコアトルの使いである
ケツァール鳥 雨をもたらす

ピラミッド(カスティージョ)に隠れる数字と暦の関係
①四方の階段の数と神殿に登る1段で365段を数え太陽暦の365日と一致する
カスティージョ チチェン・イツァ

②春分と秋分の日に北階段の西面斜壁に羽のような影ができて蛇頭につながる現象が生じる
カスティージョ チチェン・イツァ
実際は日照と日没の位置を頂上神殿の東と西の窓で確認することで春分と秋分を認識したのかもしれない
写真で示す作業員がいる北西角の斜面の段々の影が北階段の西側斜壁に影を落とすためであることが納得できる
西方向からこの角の段々斜面をとおして北の階段の斜壁を見るとこの現象をシュミレーションすることができる

とにかくこの美しい正四角錐のピラミッドがたくさんの観光客を吸い寄せている
カスティージョ チチェン・イツァ
しかし四方向に階段を設けたのは何故なのか? ウシマルでは二方向でなかったか
ピラミッドの造作とマヤの数字と天体と暦そして農業の諸神の出現など私の壊れつつある脳細胞を刺激活性化してくれる

    メキシコ合衆国  チチェン・イツァ  (2016年2月25日)

メキシコの空④雨の神チャーク2016/03/12 22:18

マヤ遺跡の建造物には夥しいチャークの像が掲げられている
その夥しい数から如何に雨がマヤにとって重要であったかが窺える
雨の神チャークはこのような姿であっるそうだ
雨の神チャーク
だが建物にあるチャークはこのようなものだ(国立人類博物館)
雨の神チャーク

①ウシマル遺跡のチャーク
 占い師のピラミッドのチャークは正面階段に連なっている
占い師のピラミッド ウシマル遺跡
 また頂上の神殿もチャークに見たてている
占い師のピラミッド
 尼僧院の壁のチャーク(北に位置する建物)
尼僧院 ウシマル遺跡
   同(東側の建物)
尼僧院 ウシマル遺跡
    同(西側の建物)家の屋根の上にもチャークが
尼僧院 ウシマル遺跡
 大ピラミッド頂上の神殿のチャーク
大ピラミッド神殿のチャーク

②カバー遺跡のチャーク
 仮面の神殿コズ・ポープの壁一面にチャーク像が並ぶ
コズ・ポープ カバー遺跡

 その数は全体で260体(神聖暦ツオルキンの周期と同じ))あるという
コズ・ポープ カバー遺跡

③チチェン・イツァ遺跡のチャーク
 旧チチェン・イツァの地区にある尼僧院と教会にあるチャーク像はトルテカの影響を受ける前の純粋なマヤンデザインであるそうだ
尼僧院と教会 チチェン・イツァ遺跡

風が吹くと雲を呼び大地に雨をもたらす ホラ貝は風、○は水、□は大地など図形で意味を象徴している これらを組み合わせてチャークが形どられているのだろうか
     メキシコ合衆国  マヤ遺跡   (2016年2月)