キャロルからの手紙(その1)2015/09/10 16:19

キャロルから初めて手紙が届いたのは1962年10月22日
僕が中学3年生の秋だった
中学雑誌の文通欄にあったキャロルへ文通を申し込んで返事が返って来たのだった
住所はニュージャージーのリバートン市チェスナッツヒル
当時はインターネットもなくまったく想像すらできない地球の裏側の地の果てから届いたような気持ちを抱いたのではないかと思われる
エアーメールの封筒に25セントのリンカーンの切手が貼ってあった

キャロルは13歳の女の子、半年で14歳だと言う
学校のオーケストラでビオラを担当しているとのこと
写真を同封したのであなたの写真が欲しいと書いてあった
写真のなかで彼女は大きなブルーのマイカーを背にもたれて写っていた
当時ぼくの家のマイカーは荷台の付いた自転車だった

ぼくがどんな返事を書いたかは記憶にない
ビオラに対抗して多分ギターが少し弾けるなどと返事を書き
坊主頭で学生服を着た写真を同封したのではないかと思う
つづく