私のイラン⑧ヤズド沈黙の塔2015/01/07 09:34

沈黙の塔は風葬を行っていた施設である
ゾロアスター教では火・水・大地を汚すことを嫌った
死者を風葬したのはその意に適っているのだ

ヤズドに到着するころ太陽はすでに落ちていた
沈黙の塔は二基あった
ヤズド沈黙の塔

右手の奥の塔に登るのだ
近づくとパンフレットで見かけた同じ景色となった
ヤズド沈黙の塔

頂上へは瓦礫の坂道が伸びる
ガイドから説明を聞いてから登り始める
ヤズド沈黙の塔

急な道を苦もなく頂上入口に到着
街に灯が目立ってくる時間だ
ヤズド沈黙の塔

隣の塔を見るとその方が高く立派そうだ
現在イランでは風葬は禁止されている
頂上には一羽の鳥も飛んでいない
ヤズド沈黙の塔

円形の頂上
石畳の床があり真ん中にぽっかりと穴が口をあけている
遺体は石畳の上に並べて置かれ時間をかけて風葬に服す
最後に残った骨は穴の中へ落とされたと言う
ヤズド沈黙の塔

街の灯りが煌めいてくる時間になった
まだ登ってくる観光客がいる
ヤズド沈黙の塔

群青色に空は暮わたり辺りはすっかり暗くなった
この見慣れない建物は水道施設である
ヤズド沈黙の塔

今まで行った国では砂漠をバスで移動中トイレに行きたくなったら
車を停めて男女左右に分かれて青空トイレをしたが
イランツアー中は青空トイレは一度もしなかった
メンバーは大地を汚すことなかれとのゾロアスター教の教えを
忠実に守ったのだ

    イラン・イスラム共和国  ヤズド (2014年10月19日)


私のイラン⑨ササン朝ペルシャのイメージ2015/01/11 20:24

断崖に刻まれたレリーフでササン朝ペルシャの痕跡を見た
それは王の権威と力を誇示するものだった


王権の叙任式
王権の象徴リボンのついた環をアフラ・マズダー神から受け取る彫像
 
 騎乗のもの
ササン朝ペルシャ叙任式
         (ナクシュ・ラジャブ)

 同じく騎乗のもの(半分はナシ)
ササン朝ペルシャ 騎馬叙任式
         (ナクシュ・ラジャブ)

 同じく騎乗のもの(アルダシール1世騎馬叙任式)
ササン朝ペルシャの叙任式
         (ナクシュ・ロスタム)

 立って受けるもの
ササン朝ペルシャの叙任式
         (ナクシュ・ラジャブ)
王の力を誇示するもの
 騎馬戦闘図(ホルムズド2世騎馬戦闘図)
ササン朝ペルシャ 戦闘図
         (ナクシュ・ロスタム)

 同じく騎馬戦闘図
ササン朝ペルシャ 騎馬戦闘図
         (ナクシュ・ロスタム)

 戦勝図(シャープール1世戦勝図)
  ローマとの戦いの勝利を誇示
  シャープール1世の前にひざまずくローマ皇帝
ササン朝ペルシャ 戦勝図
        (ナクシュ・ロスタム)
その他
 家族と高官(バフラム2世の家族と高官)
ササン朝ペルシャ 家族と高官
         (ナクシュ・ロスタム)

アケメネス朝の王のイメージは王座担ぎのレリーフのように同盟国との和の関係を
重視しているように見えるが
ササン朝の王は断崖浮彫からイメージすると権力や力による統治を第一に考えたと
言えないだろうか

       イラン・イスラム共和国   (2014年10月)

私のイラン⑩宮殿の人物画2015/01/17 21:42

宮殿の壁などに描かれた人物画
自然を背景としたものが多い

イスファハン
 アリ・カプ宮殿
      
      豊満な女性像
イスファハン アリ・カプ宮殿

      自然を背景とした営み
テヘラン ゴレスターン宮殿

 
 四十柱宮殿(チェヘル・ソトゥン宮殿)
      生々しい騎馬戦闘図
イスファハン 40柱宮殿

      王の接待
イスファハン 40柱宮殿

      踊り子たち
イスファハン 40柱宮殿

      妃たちの楽しみ
イスファハン 40柱宮殿

カシャーン
 フィン庭園(サファヴィー朝)
      若者の姿からして王子の像だろうか
カシャーン フィン庭園

      中国画のような場景画
カシャーン フィン庭園

テヘラン
 ゴレスターン宮殿(カジャール朝)
      狩りの図
テヘラン ゴレスターン宮殿

 イランの人々の楽しみの一つにピクニックがある
 屋外に繰り出して家族や仲間たちと食事や談笑する光景に
 たびたび出会った
 自然の中に人物を置く画のこころはこのようなところに共通している
 のかも知れません

      イラン・イスラム共和国  (2014年10月)