パリの情景スナップショット③ミラボー橋で2014/03/14 09:53

Sevres Babyloneという駅でメトロ10号線に乗り換えた
Durocという駅でアコーディオンを抱えた男が乗ってきて
いきなり演奏を開始した 曲名はわからないがアコーデオンの音色は
車内の中をパリの雰囲気をあふれさせるのには十分だった
乗客たちはその曲を聴くでもなく会話をつづけていた

ミラボー橋に上るためJavel Andre Citroen駅で下車した
交差点の角にあったトイレに入る ボタンを押しても水が流れない
幾度も押しても流れない  故障だ
次に入ったムッシュが振り返ってなんで流さないんだという表情で私に訴えた
私は両手を広げて「だめだ!!故障だよ」と表現した
ムッシュはわかったしょうがないねという表情で返した
パリ ミラボー橋
この橋の上からセーヌの流れを見ていると
誰もが時の流れを感じ昔のことを懐かしむのであろう
・・・
流れる水のように恋もまた死んでいく
命ばかりが長く希望ばかりが大きい
日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日が流れ わたしは残る・・・

流れを見てアポリネールのように
時間の過ぎることへの感傷にしたれたらいいね
詩に詠われるそんな恋はわたしには無縁だった
やり直せないこと消し去ることの出来ないこころの悔恨だけが
悪魔の雲のように浮かんでくる
パリ ミラボー橋より
     
あぁ若い時わたしもきらめいていた しかし今はどうだ
こころにこの流れを逆流させ空を晴れさせる力はもうない
あぁ パリの一月の空よ セーヌの流れよ
自由の女神よ エッフェル塔よ 係留された観光船よ
いまわたしはミラボー橋の上でひとり佇んで喜びとしているのだ

    フランス共和国  パリ ミラボー橋(2014年1月27日)

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